ロートアイアンのスチール手すり
ロートアイアンのスチール手すり
その前にロートアイアンとは何かをご説明したいと思います。
ロートアイアンって?
ロートアイアンとは、鉄を高温で加熱して柔らかくし、曲げたり叩いたりして成形した鉄製品です。語源は、英語の「Roast」と「Iron」を組み合わせた造語で、「熱した鉄」という意味です。ヨーロッパで古くから使われており、建築物や家具、調度品などに使われてきました。その独特の曲線美と華麗なデザインが特徴です。現在でも、住宅やオフィス、商業施設などの内装や外装に使われており、高級感やエレガントさを演出することができます。
現在は簡単な製作方法が主流に
これも時代の流れでしょう。
今では、昔ながらの製法でロートアイアンの製品を製作している鍛冶屋さんを探すのは至難の業です。
鉄工所の私でも知りません。
そんな中、最近では専用のパーツを販売している企業が出てきました。
今の鉄工所さんのほとんどは、このパーツを買って組み立てる方法で装飾品を製作していると思っていいでしょう。
価格はどうなの?
ロートアイアンって高そう(¯∇¯٥)
そう、幾らくらい掛かるのかは分かりませんが、安くないものだというのだけは分かります。
本来のロートアイアンはかなりの時間と手間を掛けて製作しています。
現在主流のパーツを購入して組み立てるって作業は時間短縮とパーツもお手軽な価格で購入が出来るので、本来のロートアイアンよりは安く製作することが出来ます。
ロートアイアンパーツの販売会社
フラットバーなどのスチール手すりと価格の比較
スチール手すりの材料には「フラットバー」や「角パイプ」や「丸パイプ」などがあります。
そして、ほとんどが規格品として販売がされています。
これらの鋼材はロートアイアンのパーツよりも安価に手に入るので、スチール手すりの方が安くなる場合が多いと思います。
ロートアイアンのスチール手すりを取り付けてきました(福岡)
現場は福岡県。
とある住宅街の中にある一軒家の玄関先にロートアイアンのスチール手すりを取り付けてきました。
これは製作時の写真になります。
パーツのサイズも形状も色々。
造っていても楽しいです。
この後、溶融亜鉛メッキをして粉体焼付塗装を行いました。
高級感満載って感じです。
塗装色はブラックですが、ツヤあり塗装ではなく、少し落ち着いた半ツヤを選択致しました。
上下のスチールのフラットバーだけが既製品。
その他の部分はロートアイアンのパーツです。
デザインはこんな感じというイメージだけお聞をきして、パーツはこちらで選択致しました。
ちなみに取り付ける場所は屋外です。
なので、仕上げは『溶融亜鉛メッキ』+『粉体焼付塗装』の最強の組み合わせ。
全面道路と玄関には段差があります。
その為、この写真の位置がちょうど目線となります。
こんなパーツまで選べるんですよ(*^^*)
カワイイですよね。
壁にはプラグを打ってのビスの2点留めです。
下側も上とは違ったパーツを選びました。
こちらはビスの1点留め。
ロートアイアンのスチール手すりを取り付けてきました(福岡)
こちらのロートアイアンはモデルハウスの手すりです。
こういったパーツを組み合わせて手すりを組み立てます。
デザイナーさんにイメージのスケッチを頂いていますので、それを再現するようにパーツを加工していきます。
こういうのは曲線のパーツは売っていませんので、自力で製作をします(笑)
鉄を熱して自然な曲線を造るのですが、焼き加減が悪いと不自然に折れてしまいますのでそこは注意が必要です。
こういうのもツルが巻いているように魅せるのが中々大変でした。
よく見ると手すりにR(曲線)が付いています。
そうなんです。まっすぐの手すりではなくて、階段が曲線なのでそれに合わせて鉄筋を曲げています。
完成写真
こちら、完成写真です。
洒落ですよね。
ベースプレートもよく見るとハンマートーン(打痕)が付いています。
つや消しブラックの落ち着いた色合いが高級感を感じさせます。
曲線が魅力的なのもロートアイアンの特徴です。
サイズ的には小さいですが、中身の濃い難易度が高い手すりでした。
さて、次はロートアイアンの飾り。
こういうパーツで売っています。
ニッチにもロートアイアンの飾りを付けました。
ビスは極力見えないように工夫をしています。
塗り壁とロートアイアンの組み合わせも自然で良いですね。
ロートアイアンのスチール手すりを取り付けてきました(大分)
現場は大分。
普通の住宅ですが、すごいゴージャスな住宅でした。
ロートアイアンの手すりを製作する上でイメージ写真として頂いたのがこれ。
ロートアイアンの手すりの価格はm単価で10万円くらいと聞いたことがあります。
これまで製作をした感じでは、多分、本物のロートアイアンはそれ以上するかもしれませんね。
あと、デザインや形状によっても変わりますからね。
ロートアイアンの手すりを造る上で大変なのが材料選定と縦格子の割り付けです。
どこにどのデザインの縦格子をどのくらいの間隔で入れるのかというのを考えるのがセンスも問われるところだと思います。
似たようなパーツを調べて図面を描き描き。
ロートアイアンの手すりの製作
まずは組立時の状況から。
図面で数と寸法を計算してパーツを購入。
パーツの厚みが違うので高さも調整しながら形を決めていきます。
溶接も気を使います。
ロートアイアン手すりの現場取付
次は現場に取り付けた後の写真。
鉄骨階段もご注文頂きましたので、1期工事が階段取付け。
踏板を取り付けた後の2期工事でロートアイアンの手すりを取り付けました。
今回はイメージ写真を頂いたので製作しやすかったですが、1から考えるとなかなか大変かなという感じです。
壁固定部のパーツもロートアイアンに合うようにと考えました。
下から見上げた写真。
ロートアイアンの手すりは普通の手すりに比べて重たいので、2階への搬入は大変でした。
焼付塗装色はブラックの半ツヤ。
自然な雰囲気を出すには半ツヤが良いように感じました。
ロートアイアン製品の注文方法
ロートアイアンのパーツには色々なデザインとサイズがあります。
そのため、
- どういうイメージかを伝える
- スケッチでもOK
- 似たような写真を準備する
などの内容からお話を進められると良いかと思います。
ロートアイアンは今日でも人気のある素材です。
また、高級感やエレガントさを演出するための優れた選択肢となっています。
ぜひご検討ください。