完成した室内滑り台は高速仕様だった。
活発な子どもも満足できる遊具として人気の「室内滑り台」。雨の日や真夏の暑い日など外遊びができないときでも、1台あると部屋のなかで楽しく体を動かせます。
元気いっぱい動き回るお子さんでも満足できる大きい室内滑り台。
赤ちゃんや幼児のお子さんも夢中になって、おうちで遊べますよ!
室内滑り台のお題は『ジャックと豆の木?』

長崎県のお客様より依頼があった住宅の室内の滑り台。
最初にお話を頂いた時には『えっ?滑り台?』ってなりましたね(笑)
そりゃ、造ったことないし、普通は室内に大きな螺旋滑り台なんてないですからね。
たまにある未知の世界のお仕事です。
こういう時の気持ちって、実はワクワク半分、ドキドキ半分なんです。
しかし、考えようによっては螺旋階段と見た感じは同じだし、『なんとかなるか~』と軽い気持ちでお受け致しました。
室内滑り台の条件
今回の室内滑り台を製作する上での条件というのが、
- 直径1,300mm以下
- 滑り台の幅は400mm程度
- 階高2,923mmに対して1周半で下りる事
- 床からニョキニョキとツルが天に昇って生えた感じ
と、最後の内容はちょっと良くわかりませんが(笑)、こんなご要望でした。
室内滑り台を製作するにあたっての情報収集
まずはやったことないので情報収集からです。
近所の公園に螺旋型の滑り台があったので見に行きました。
でも、遊具の螺旋滑り台ってほとんどがFRP樹脂で出来ているんですよね。
なので、あまり参考にはなりませんでした。
今回の室内滑り台はスチールです。
硬い材料を使って曲線を造り上げないといけません。
ここが難しい所です。
室内滑り台の図面作成
今回、鉄骨階段も一緒にご注文頂いて、その鉄骨階段をトントンと上がっていって、室内滑り台に乗り移って1階まで滑るという計画です。
このような配置になりました。
室内滑り台のイメージ図。
細かい所は抜きにして、大体の感じを掴んで、あとは現場合わせと考えています。
気を付けないといけないのは、最初の1/4周のところが落下の危険性があるので、落下防止の手すりを設けるということ。
1/4を通り過ぎれば、あとは流れに乗って滑り下りるだけなので心配はありません。
室内滑り台の製作開始
基本的な考え方は螺旋階段と同じなので、中心に全体を支える支柱を建てます。
支柱に取り付けているのは室内滑り台の曲線を正確に出すための治具というもので、底板受けの螺旋のパイプを設置する為に製作をしました。
室内滑り台の底板を受けるパイプの設置風景です。
曲線なのでパイプの方が何かと都合が良い。
そして、パイプを受ける枝もパイプ。
床からツルが伸びてきているのがイメージなので、デザイン的にも考慮をしないといけません。
室内滑り台の底板貼り
次に底板を貼るわけですが、これが超!難関。
実は、計算を間違って一度材料を造り直しました(^_^;)
段々と形になっていきますが、まだ道半ば。
図面通りにはいかないと分かっていましたが思ったよりも大変( ̄▽ ̄;)
それでもやっとかっと貼り終わりました。
ここまでくれば半分以上は終わったようなものです。
両側の壁となる側板も取り付けていきます。
側板の取り付けは土台がきちんと出来ていればそこまで難しくはありません(`・ω・´)b
こんな感じで作業足場を作って室内滑り台を溶接して固めていきます。
最初にお話ししたスタート1/4周の危ない所に手すりも取り付けました。
室内滑り台の幅は400mmなので、大人はちょっと厳しいかなという感じです。
本溶接が終わり完成へ
本溶接が終わりました。
人の手や体が触れるところなので、素手で触りながらケガをしそうな危ない所がないかを確認していきます。
上から見たらなんとか滑り台っぽい形になっていますね(*´∇`*)
段差などはパテ処理をして調整します。
下から見た所。
真ん中の支柱が幹で、幹から出た枝でツルを支えてる・・・みたいな(笑)
ここで塗装前の段階まで終了です。
そして室内滑り台は塗装へ
近所の塗装工場へと持って行きます。
塗装のためだけに塗装台も製作。
塗装から返ってきました。
返ってきましたが、今回の塗装は仕上げ塗装の下地になります。
仕上げの色がハッキリと出るようにホワイトの錆止め塗装をしています。
鉄骨階段と一緒に室内滑り台も現場へ
室内滑り台は上棟と同時に搬入。
幸い、雨が大降りすることもなく何とか鉄骨階段と室内滑り台を設置出来ました。
何とか形になりました。
良かった良かった(*´∇`*)
雨じゃなければ私が試しに滑りたかったんだがなぁ~(笑)
室内滑り台の完成写真を頂きました
竣工後、室内滑り台の完成写真を頂きました。
イメージ通りのジャックと豆の木に仕上がったというのと、皆さんとても喜んでいらっしゃるとのことで私もうれしくなりました(*´˘`*)♡
室内滑り台の幅が400mmなので、お尻が大きい大人の方はちょっと厳しいかもしれません(*T▽T*)
子どもは問題なく滑れますが、小柄な方は外側の左足を折り曲げると楽に滑れるようです。
試しに滑った動画がありますので参考までに動画も載せておきますね。
造った感想(反省会)
- 思ったよりも急で高速仕様となった。径の大きさは大事だった。
- 底板はパイプにした方が良さそう。板を曲げるのはちょっと大変。
次回はさらに良い室内滑り台を造ります(*ˊᗜˋ*)/
室内滑り台は、設置するのにスペースを大きくとる遊具です。滑り台を置く場所が決まったら、必ず設置可能エリアのサイズを計って、安全に遊べるスペースを確保できるサイズのものを選ぶようにしましょう。
滑り台を滑り降りたらすぐ目の前が壁…なんて狭い空間に設置してしまうと、滑る速度によっては危険な遊具になってしまいます。滑り終わりの地点からまわりの壁やドアまで余裕あるスペースを確保し、遊具の周りには危険なものがない状態にしておきましょう。
また、お子さんだけで遊ばせるのではなく危険なことがないよう、大人の目が届く範囲に設置することも気にかけたいですね。