雲梯(うんてい)の取付け場所とサイズ(独立型/一体型)
雲梯の取付け場所とサイズの決め方
お客様とのやり取りの中で感じたこと
うんていに関するご相談の中で特に多いのが、「サイズや取付け場所をどう決めれば良いか分からない」というお悩みです。実際にお問い合わせをいただくお客様のうち、7〜8割の方がこの点でお困りになっています。
とはいえ、ご安心ください。
うんていのサイズや設置場所について迷われるのは、誰にとっても自然なこと。
実際、「どれくらいの長さが最適?」「壁に取り付けても大丈夫?」などの疑問を持たれる方は非常に多くいらっしゃいます。
そこで今回は、これまでのお客様とのやり取りの中で見えてきた「サイズや取付け場所を決めるヒント」を、ひとつの記事にまとめました。
初めての方にも分かりやすく、参考になる情報をお届けできるかと思います。
目次 |
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1.雲梯の取付け場所はどこがいい? 2.雲梯の取付けのための下地 3.独立型雲梯と一体型雲梯 4.独立型雲梯のメリット・デメリット 5.一体型雲梯のメリット・デメリット 6.独立型雲梯と一体型雲梯はどちらが安い? 7.雲梯の長さ 8.雲梯の幅 9.雲梯の天井からの下がり 10.雲梯のバーの間隔 |
1.うんていの取付け場所はどこがいい?
みなさん、廊下やリビング、1階や2階などいろんな場所にお取付けをされているようです。
決めたポイントとしては

うんていを取付けることが出来る下地(構造材)が入っていたから迷わずそこにしたわ。

広いスペースがあって普段はデッドスペースとなっているからそこに取付けたよ。

やっぱり、子どもは目が届く範囲で遊ばせたいからリビングの脇に取付けました。
というような声がありました。
2.雲梯の取付けのための下地
梁(下地)の幅は?
アミダラップタイプ以外のうんていは、基本的に左右2か所でしっかりと固定する構造になっています。
そのため、設置の際には、下地となる梁を左右に1本ずつ、計2本をレールのように通す必要があります。
ここで重要なのが、取付けプレートの幅です。
標準では90ミリの幅となっていますので、施工の安定性を考慮すると、少し余裕を持たせて105ミリ以上の幅を確保した梁を準備していただくのがおすすめです。
とはいえ、「105幅以上の梁を入れるのが難しい…」という方もご安心ください。オーダーメイド製品であるため、取付けプレートの向きを変更したり、サイズをカスタマイズすることで柔軟に対応できる場合もあります。
梁背のサイズは?
ここでご案内するのは、構造材に直接取付けるケースではなく、うんてい専用の梁を新たに設ける場合についてです。
梁の背(梁せい)に関しては、現場の状況に応じた判断が必要となります。たとえば、「梁を掛けるスパン(距離)はどれくらいか?」や「求められる耐荷重はどの程度か?」といった点を踏まえて、施工者の方で適切な判断をお願いしております。
また、うんていの下地についてさらに詳しく知りたいという方は、別記事でも詳細にご紹介していますので、ぜひそちらも併せてご確認ください。
3.独立型雲梯と一体型雲梯
写真左の1本1本がバラバラになっているのが『独立型雲梯』、写真右のはしごのようにすべてが溶接で繋がっているのが『一体型雲梯』と呼んでいます。
4.独立型雲梯のメリット・デメリット
このタイプの雲梯には、いくつかのメリットがあります。まず、各バーが独立している構造のため、塗装の自由度が高い点が特徴です。たとえば、全体をレインボーカラーに仕上げたり、アクセントとして1本だけ別の色にするなど、デザインに遊び心を加えることが可能です。
さらに、現場に実物が届いてからサイズを確認し、バーの間隔を調整できる柔軟性も魅力の一つです。この点は、特に空間に合わせた微調整が必要な現場で重宝されます。
加えて、部材がコンパクトなため、作業性が良く、配送コストも抑えられるという利点もあります。結果として、価格面でもお求めやすく、雲梯の中では最もリーズナブルなタイプとなっています。
一方で、デメリットとしては、1本ずつのバーに取付金物が付いているため、固定に必要なボルトの本数が多くなる点が挙げられます。そのため、一体型の雲梯と比べると、取付けにやや時間が掛かる傾向があります。
5.一体型雲梯のメリット・デメリット
まずメリットとして挙げられるのは、取付け金物の数が少ない点です。そのため、現場での位置合わせがしやすく、施工の手間が軽減されます。結果的に、独立型雲梯と比較すると、取付けにかかる時間も短縮される傾向があります。
しかしながら、デメリットも存在します。具体的には、一体構造であるため製品サイズが大きくなり、搬入経路の確保が必要となります。また、部材が大きいため作業性がやや劣るほか、送料も高くなる傾向があり、コスト面では『独立型うんてい』より割高となる場合が多いです。
6.独立型雲梯と一体型雲梯はどちらが安い?
まず、独立型雲梯と一体型雲梯のどちらが安いかという点については、明確な答えはありません。というのも、独立型雲梯では幅や天井からの下がり寸法に応じて補強金物の有無が変わりますし、一体型雲梯ではサイズによって脚の本数が増減するからです。
しかしながら、製作から発送までの取り扱いやすさという観点では、独立型雲梯の方が優れていると言えるでしょう。独立型雲梯は1本1本が軽量であるため、塗装工場への搬入も車にたくさん積むことができ、効率的な運搬が可能です。
加えて、お客様への発送時においても、独立型雲梯はコンパクトに梱包ができるのに対し、一体型雲梯はそのままの形で梱包・発送(送料は体積換算)となります。
このような理由から、バーの本数が同じであっても、トータルコスト(送料などを含む)で見ると独立型雲梯の方が一体型雲梯よりもコストを抑えられるケースが多いように思われます。
7.雲梯の長さ
まず、現場のスペースには限りがあることを前提として考える必要があります。そのうえで、より安全かつ快適に使っていただくためにも、うんていの両端にはある程度の余裕を持たせた設計がおすすめです。
例えば、両端に壁があるような設置環境では、体が壁にぶつからないように、最低でも壁から600mmは離すことを推奨いたします。
また、製品の配送に関してもご注意が必要です。混載便での輸送をご希望の場合、梱包時の全長を4m以内に収める必要があります。これを超える場合には、チャーター便扱いとなる点をあらかじめご確認ください。
※長尺物を専門に扱う運送会社さんもございますが、その分どうしても費用は高めになってしまいます。
8.雲梯の幅
うんていの幅については、実際の現場の条件に応じて判断されることが多いようです。たとえば、「桁が455mm間隔で通っているため、その幅でうんていを製作してほしい」といったご要望や、「910mmの桁間に合わせて製作してほしい」というケースもあります。つまり、下地の条件によって自然と決まってしまうことが多いのです。
これまでにも、300mm幅から1,000mm幅までのうんていを製作してきた実績がありますが、中でも最も多かったのは500mm幅のサイズです。これは、日本人成人男性の肩幅の平均値が約450mmであることを考えると、実用性の面からも納得のサイズ感です。
さらに、幅が900mm以上になると、使用者の体重によってはバーにたわみが出る可能性があります。そのため、その点をご理解いただいたうえでの製作となりますので、事前にご相談いただけると安心です。
9.雲梯の天井からの下がり
雲梯の「下がり寸法」は、お客様の使用イメージによって大きく異なってきます。たとえば、「ジャンプしてバーに届く高さが良い」という方には、300mm〜450mm程度の下がりをおすすめします。一方で、「普段の生活では視界に入ってほしくない」という方には、天井ぎりぎりの150mm下がりが適しているでしょう。
ただし、天井に近い設置の場合、ジャンプしてもうんていのバーに届かないことがあるため、その際はロフトはしご『LL-SUPER』など、うんていに届くためのはしごを別途ご用意いただくことがあります。
ちなみに、最も多くご利用いただいているのは200mm〜250mmの下がりサイズで、使いやすさと見た目のバランスが取れていることが人気の理由です。
さらに、独立型雲梯を300mm以上の下がりで設置する場合には、補強金物が必要となり、割増の料金となるため、その点もご留意ください。
10.雲梯のバーの間隔
うんていの間隔の寸法(ピッチ)に関してですが、
幼稚園生くらいでしたら250mm
小学生で300mm~350mm
中学生以上で500mm以上
くらいが標準かと思います。
バーの間隔は狭い方がよい?
うんていのバーの間隔が狭い場合には、1段飛ばしや2段飛ばしで対応することも可能です。
しかしながら、バーの本数が多くなると、その分費用がかさむことになります。
したがって、その点はご予算とのバランスを考慮しながらご検討いただくとよいでしょう。
ご注文の中で1番多い間隔は?
ご家族皆さんで使用されるとのことで、小学校などにある雲梯と同じ300mm間隔での設置をされる方が多いです。
ちなみに、先日のお客様は小学校低学年のお子様で、あえて450mm間隔でうんていを設置されたとのことです。理由は、「成長したらどうせ1段飛ばしをするから」とのことでした。なるほど、確かに納得のご意見です。
また、大人の方で900mm間隔で設置された例もありますが、やはりこのあたりが一般の方にとっての限界のように感じます。
このように考えると、将来を見据えたうんていの設計は、とても重要なポイントかもしれませんね。
最後に
うんていの取付場所やサイズについて悩む時間も、ある意味で楽しいものですよね。とはいえ、この記事を読んで設置場所やサイズの不安が少しでも解消され、「悩みがスッキリした!」と言っていただけたら嬉しく思います。
それでもなお、ご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。できる限りわかりやすくご案内いたします。
なお、ヒトフデ型うんていにつきましては、サイズや仕様に関して特有の製作条件が多いため、別途で詳しくご説明させていただく記事を用意しております。
ぜひそちらもあわせてご覧いただけると幸いです。