力桁の鉄骨階段
力桁の鉄骨階段
原寸図は命
まず、材料を切断し、次に原寸図の上に並べて寸法を確認します。
その上で、寸法に間違いがないことを確認した後、続いて材料同士を溶接で仮留めします。
パーツの取付
仮留めをした後、次に原寸上では取付が出来なかったプレート類を取り付けます。
その後、仕上げとして本溶接を行います。
力桁の階段は、確かに住宅雑誌などではたまに見かけるものの、実際にこの地域で目にすることはほとんどありません。
さて、この鉄板はというと、踏板を支えるためのプレートです。
そして、踏板には木材を使用するため、木材をしっかり固定するためのビス穴が必要になります。
なお、使用するのは皿ビスなので、ビスとプレートの面がフラットになるよう、専用の工具を使って皿彫りを施します。
恐竜の背中?
まず、H形鋼に基準となる線を丁寧に引きます。
そして、その線に沿ってプレートを取り付けていくわけですが、実はこのプレート、1枚1枚微妙に形が異なっているため、それぞれの“癖”を見極めながら慎重に取り付けていく必要があります。
その結果、出来上がった様子はまるで恐竜の骨格模型の背中のようにも見えますね。
階段も段々と形に
続いて、補強用のプレートを取り付けていきます。
とはいえ、この工程こそが最も慎重さを要する作業になります。
なぜなら、補強の精度が全体の仕上がりや強度に直結するからです。
溶接と歪
とはいえ、まだ取り付けなければならないパーツは残っています。
しかしながら、それらを先に取り付けてしまうと、溶接作業が難しくなる箇所があるため、まずはこの段階で全体をしっかりと溶接します。
ただし、溶接において注意すべき点のひとつが「歪み」です。
今回のように片側に溶接が集中するケースでは、変形する方向をある程度予測することができます。というのも、溶接された部分は縮む傾向があるため、あらかじめ写真のように逆反りの状態にしておく必要があるのです。
さて、H形鋼が弓形になるように成形するためには、中央から外側にかけて徐々に薄くなる板を使い分け、両端を万力でしっかりと締め付けます。こうすることで、溶接による熱収縮にも対応しやすくなります。
さらに、溶接作業が完了した後も、冷却が終わるまではこの状態を保つ必要があります。そうすることで、理想的な形状を維持しながら強度も確保することができるのです。
踏板受けの取付
最後に、いよいよ木の踏板を取り付けるためのプレートを設置します。
ここでも重要なのは、ひとつひとつ丁寧に確認しながら作業を進めることです。
したがって、プレートを1枚取り付けるごとに、位置や角度などを細かくチェックしながら取り付けていきます。これにより、仕上がりの美しさと機能性の両立が可能になります。
全てのプレートを取付けました。
本溶接
次に、本溶接の工程に入ります。
ただし、ここで注意すべき点があります。
それは、溶接のスパッタ(飛び散る金属)がビス穴の中に付着すると、後の作業に大きく影響を及ぼすということです。
そのため、事前にマスキングテープでビス穴をしっかり養生しておくことが重要です。
このひと手間が、最終的な仕上がりを左右します。
ようやく本溶接が完了しました。
ここまでの作業を無事に終えたことに一安心ですが、次の工程に進むための準備も大切です。
そのため、続いては階段全体にエアーをかけながら丁寧に清掃を行います。
こうしたひと手間が、後の仕上がりに差をつけるポイントになります。
塗装
塗装が終わりました。
今回は室内ですが、錆止塗装はJIS5625を使用しています。
仕上塗装は元受けさんがされますので私たちのお仕事はここまで!
この後、ステンレスの手摺もお世話になりました。